[V]倒産のときすぐやること 1、企業の状況を普段から確認しておこう 職場での要求闘争も含め、企業の実情をより正確につかんでおくことが必要です。一般に経営者は、好不況に関係なく、従業員に経営の実情を知らせることは好みません。独自に、なるべく客観的資料を整理しておく必要があります。企業の動きや気が付いたことをメモ書きにしておくのも良いでしょう。 @、普段からこの程度は知っておこう、調べておこう。 資本金、★株主、★役員構成(年齢、学歴、職歴、家族、趣味、交友関係、性格も)、★会社資産(不動産、及び保管製品、半製品、原材料、機械、什器備品などの動産の実態)、★販売先・外注先、★下請け・外注先の状況、★借入金や資金繰りの状況、★金融機関との関係、★その他(会社組織図、人員配置図など) 注)近年、什器,備品などはリースになっている場合が多い。 A、こんな状況が生じたら団体交渉開催を求め、原因の説明と対策を明らかにさせよう。 ★、受注の減、値引き。 ★、納期の遅れ、不良品返品の出る場合。 ★、在庫の増、不良(滞留)在庫の発生。 ★、外注などへの支払条件の変化、短期借入の増加、取引銀行が多すぎたり、良く変っている。 ★、株価の大きな変化。 ★、主要取り引き会社の大きな変動。 B、注意しよう経営の動きこんな動きがあったら、すぐ労協書記局と上部へ連絡を ★、主要役員・管理職の退職や意味の分からぬ人事異動、機構変更はないか? ★、社長が金融機関に頻繁に呼び出されていないか? ★、社長の所在不明が多くないか? ★、見知らぬ人、外部の人の出入りは頻繁か? ★、融通手形発行のうわさは?その他の悪いうわさは?(親会社、取引銀行から出ている場合は特に注意を) 資料<経営危機のシグナル> 第1段階…貸借対照表の剰余金がなくなる。短期借入金が異常に増えている。 (借入金が売り上げの10ケ月分以上あるときは要注意対策を) 第2段階…債務超過(借入金が資産より多いこと) 第3段階…資金ショートの危険(資金融資ストップの目安は正味資産の80%) 正味資産…土地や持っている株の時価評価したもの(帳簿は取得価格)。 C、経営の危機が明らかになったとき次の協定をとろう。 ★、労働債権(賃金、退職金など)支払い、および確保のため資産の譲渡を約束させる。 ★、会社資産の逸散を無くすために組合員が会社施設に滞留すること。 ★、労働組合が労働債権回収するのために生産すること認めさせる。
注) 譲渡を求める事由が発生した場合は、次の協定の同じく譲渡を受ける動不動産、債権を特定する(上記協定の基づく明細として)必要、及び債権(売掛金など)を回収するために債権譲渡通知書が必要です。 2、倒産(不渡り、破産申請等)したら 、労働債権(賃金、退職金など)確保、雇用の確保のためにまずなべき事は? @、職場占拠体制確立と団体交渉(拒否は法律違反)を開かせること 職場占拠…組合員、従業員に周知し、出入りできるところを締め、ロックし警備する (組合関係以外の社外の者は、中にいれない。組合員に不安のある場合は、緊急にスト権を確立して、ストを打つ)。 泊まり込み体制をとる。 団体交渉…以下の内容で説明と回答を求める。 1、 事態の説明及び資料提出。 2、 倒産原因の説明、再建の見通し。 3、 労働者の生活保障、労働債権(賃金・退職金等)確保の方法(企業財産の譲渡、担保提供の意志、会社役員の個人財産の提供)。 4、 企業の財産は、どこにどれだけあるか(会計報告書、決算報告書、財産目録、その他の財務諸表の提出、特に財産目録・・譲渡させるのに必要)。 5、 売掛金、工事代金、受取手形の実態とその金額、支払日の明細(譲渡させるのに必要)。 6、 負債は、誰に対してどれだけ有るか。 7、 国税・地方税・社会保険料の支払状況、滞納があればその内容。 8、 取引銀行と「一括支払いシステム」(注参照)の契約を結んでいないか。 注) 「一括支払いシステム」を結んでいると、下記のように労働組合が売掛金の譲渡を受けていても、回収された売掛金が取引銀行に入った場合、銀行の貸し付け金と相殺されてしまいます。 A必ずとらなければならない協定 1、 労働債権(未払い賃金、一時金、退職金)の存在と金額の確認。 2、 労働債権支払いのため、企業財産の譲渡渡協定、及び提供財産の特定と管理、処分権。 3、 自主生産に関する協定。 注)結んだ譲渡協定は、調印後直ちに公証役場(下記)で確定日付をとろう。公証役場へ協定書を持っていけば、公証人がその日付の印を押してくれます。 確定日付を取っておかないと、企業が他の一般債権者に同じ財産を譲渡した場合どちらが先に譲渡を受けたか争いになる場合があり、確定まで処分できないという不利益が生じます。確定日付があれば、譲渡日時が客観的に証明され、無駄な紛争をさけることができます。 目黒公証役場 品川区上大崎3の5の18 電話(3441)3020 世田谷公証役場 世田谷区三軒茶屋2の15の8 電話(3422)6631 渋谷公証役場 渋谷区渋谷2の19の18 電話(3409)1717 ★、協定例文 1,譲渡協定
★、以上は、企業倒産前後にとらなければならない方策です。この期間に築いた態勢を基本に解決の闘いを進めます。闘い方については企業や従業員の状況によってさまざまな組み立て方があります。また生活対策については、公的には雇用保険の仮給付、賃確法(賃金支払いの確保等に関する法律によって)活用などの方法があります。 ☆ これらの対応策は急を要します。書記局や本部と相談すると共に、団体交渉への参加を要請しましょう! ☆ 法律の活用が重要ですので、労働事件に詳しい弁護士、法律事務所にも連絡すること(労協や上部の紹介も可能です) 労働組合作りの相談はお気軽に 3719-8813 目黒地区労働組合協議会 目黒区鷹番3-1-1石田ビル302 関係組織の連絡先 品川労働基準監督署 (6443)5741 東京都大崎労政事務所 (3495)6110 五反田ハローワーク (3449)8609 目黒社会保険事務所 (3770)6421 目黒警察署 (3710)0110 碑文谷警察 (3794)0110 東急線沿線に在勤の方の相談受付先は 品川区内で働いている方は・………品川労協ヘ 0 3(3 4 9 1)9 2 4 2 |