ドウカン:オダリスク  猿の西洋画   ランドセール:旅行する猿

 

1)村内美術館のサルの画: 

今年はサル年である。BBSには「謹賀申年」というタイトルであちこちにカキコんだ。

コメントは、猿の画といえば、ドウカンの「猿の理髪師」を思い出します。村内美術館にあります」とした。これにはあちこちから反応があったが、「西洋画では猿の画はあまり思い出せない」というものが多かった。

 

2)ルーブル美術館のサルの画: 

1997年に東京都美術館で開かれた「ルーブル美術館展(18世紀フランス絵画のきらめきーロココから新古典派)」でもサルの画があったような気がして、カタログを引っ張り出して調べてみた

そこにはシャルダンのサルの画が2点あった。そこにはドウカンの「猿の画家」についても述べられていた。

シャルダン:猿の骨董屋
シャルダン:猿の画家
ドウカン:猿の画家

このようなサルが人間の着物を着て、人間の仕事をする画は、英語・フランス語ではsingerie呼ばれるが、日本語では「人まねサル図」とでも呼ぶのであろうか。

これはフランスのロココ時代の装飾絵画の一つのタイプで、ヴァトー、ランクレ、ユエなども描いているそうである。村内美術館の「サルの理髪師」もこの一つなのである。(2004.1)

3)ウィーン美術史美術館のサルの画: 

アブラハム・テニールス:サルの床屋に猫の客

フェルメールの「絵画芸術」がウィーンからやってくるとの前評判の高かった「栄光のオランダ・フランドル絵画展」の中に猿の画が2枚でていた。

いずれもアブラハム・テニールスの作品で、1枚はサルが集まってキセルで煙草を吸っているものであり、もう1枚は「猿の床屋に猫の客」というコミカルな画であった。

カタログに載っているカール・シュッツ美術史美術館絵画ギャラリー長の解説によると、「こうした猿の絵のジャンルの由来は、まだ明らかにされていない。

もっとも古い作例は、フランス・フランケンとヤン・ブリューゲル(父)によって描かれたいる」とのことである。 (2004.5)

4)オルレアン美術館のサルの画: 

ヴァットー:サルの彫刻家

BBSで「ひでかず」さんに教えてもらいました。

伝ヴァトー「猿の彫刻家」 で《オルレアン美術館展》(宇都宮美術館他,1999年)でご覧になったそうです。

これは上述のルーブルのカタログに述べられているものに違いありません。(2004.6)

 

5)エフルシ・ド・ロチルド美術館のサルの木彫り人形

コートダジュールにあるエフルシ・ド・ロチルド美術館は素晴らしい庭園と美術品のコレクションで知られている。

ここに18世紀に作られたサルの木彫り人形がある。作者はユエということになっている。この時代にはサルの美術品がもてはやされたとのことである。

 

6)シカゴ美術館のサルの画

スーラの有名な「グランドジャットの日曜日の午後」にもサルがいたことを忘れていた。他にウードリーの「猿・果物・花のある静物画」もあった。
スーラ:グランドジャットの日曜日 ウードリ:サル・果物・花のある静物画

7)その他のヨーロッパ美術館のサルの画

バーゼル美術館:ホルバイン:エドワード王子とサル
ウオレスコレクション:デヘーム:サルのいる静物画
ホルバイン:エドワード王子とサル(バーゼル美術館)
デ・ヘーム:サルのいる静物画(ウオレスコレクション)
リバプール美術館:スタッブス:ミドリザル
ハンブルグ美術館:マルク:サル
スタッブス:ミドリザル(リバプール美術館)
マルク:サル(ハンブルグ美術館)

8)その他のアメリカ美術館のサルの画

ノースウエスタン大学:デューラー:聖母子とサル
オルブライト・ノックス美術館:フリーダ・カーロ:サルのいる自画像
デューラー:聖母子とサル(ノースウエスタン大学)
フリーダ・カーロ:サルのいる自画像(オルブライト・ノックス美術館)