日本美術散歩 09-2 (海外美術は別ページ)

加山又造 09..1 近代の屏風絵(泉屋) 09..1 田中屋コレクション 09..1  
近藤浩一路 09..1 福沢諭吉展 09..1 楊州周延 (ICU) 09..1 歌麿・女達磨  09..2 
 松岡映丘(山種)   09..2  近代の屏風絵(後期)   09..2  美人画展(松岡)   09..2  三井寺   09..2
 平山郁夫   09..2  小杉と大観 09..3 楊州周延(太田) 09..3  平 泉 09..3
山水にあそぶ 09..3 東本願寺の至宝展 09.3 近代絵画、セザンヌから梅原・安井まで 09.3 ザ・仏像展(切手) 09.3
横山大観と木村武山 09.3 阿修羅展 09.3 大宰府美術散歩 09.4 観世音寺 09.4
九博平常展 09.4 白洲次郎・正子 09.4 月岡芳年(平木) 09.4 月岡芳年(専修) 09.4
伊能図 09.4      

目 次 ↑


完全復刻版伊能図展: 深川スポーツセンター

 伊能忠敬が17年かけ、9回の大旅行て測量した日本地図。大図210、中図8、小図3枚の原図は焼失しているが、この10年の間に副本や模写図が、日本のみならず外国からも見つかってきた。これを着色CGパネルとして見せてもらえることになった。新聞やTVでも報道されているが、東京ではこの土日の二日間だけ。日曜の午後に駆け込んだ。

 大変なものをこの時代に作っている。しかも50過ぎてから勉強して、やり遂げたのだから驚異というほかはない。大図の江戸を見ると、現在自分が住んでいる町も、村としてシッカリ書き込まれている。 

 細部を単眼鏡で見ながら、大図パネルの上を全国散歩した。とても時間がかかったが、伊能忠敬のことを考えれば文句をいうほうがおかしい。伊能忠敬は日本人の誇りである。

(2009.4a) ブログ

 

月岡芳年 描く専修大学図書館 研修室

 向ヶ丘遊園の駅から山登りしてしまった。途中で学生さんにガイドしていただき大助かり。

 展示室はけっして広くないが、描く対照によって、英雄を描く、役者を描く、美人を描く、庶民を描く、物語を描く、月を描く と分類してあった。

 女性の企画者らしい行き届いた展覧会だった。追っかけの《月百姿》の未見がひとつだけ減った。

(2009.4a) ブログ

 

月岡芳年 名品展 新撰東錦絵と竪二枚続UKIYOE-e TOKYO

 「新撰東錦絵」・「竪二枚続」の両者とも、明治18−22年、芳年の脂の乗り切った時のもの。この両シリーズともに完全に揃って展示されている。

 一方の「新撰東錦絵」は、講談でおなじみの時事報道的なテーマで、他方の「竪二枚続」は江戸時代の浮世絵の画題で、国芳の作品をもとにしたものが多いようだ。

 個人的には、後者のほうに好みのものが多かったが、いづれにせよ平木の実力を発揮したハイレベルの展覧会だった。

(2009.4a) ブログ

 

白洲次郎と正子の世界展: 福岡アジア美術館

 展覧会のサブタイトルは「風の男と韋駄天夫人の物語」。

 戦後の混乱の中、GHQとの折衝に臨み、米軍に「従順ならざる唯一の日本人」といわれた白洲次郎とその妻であり、能、骨董、かくれ里をめぐる旅で世に知られる随筆家・白洲正子の二人展である。

 正直言って、あまり面白くなかった。

(2009.4a) ブログ

 

九博平常展: 九州国立博物館

 前回「天神展」に来たときには、飛行機の時間に追われて、平常展のほうは駈足になってしまった。今回は、それを補うべく、3時間滞在してジックリと鑑賞した。

(2008.12a) ブログ

 

観世音寺

 宝蔵の階段を登りきると、アット驚く。そこには見事な仏像の世界が開けている。すべての仏像が重文である。特に巨大仏3躯刃驚嘆すべきものである。

1.木造十一面観音立像−旧本堂所在。像高5メートル。延久元年(1069年)の作。

2.木造馬頭観音立像−旧本堂所在。像高5メートルを超える平安後期の大作。四面八臂の憤怒の形相。

3.木造不空羂索観音立像−旧本堂所在。像高5.2メートル。三眼八臂で、頭上に十一面をいただいている。

(2009.4a) ブログ


大宰府美術散歩

 光明禅寺・大宰府天満宮・九州国立博物館・大宰府政庁跡・戒壇院・観世音寺の本堂・鐘楼をまわった。

(2009.4a) ブログ


国宝 阿修羅展: 東京国立博物館

 この有名な仏像は興福寺で見ているが、半世紀ぶりで東京に来たということで大騒ぎになっている。初日に見に行ってしまったが、やはり大したものである。

(2009.4a) ブログ


横山大観と木村武山: 野間記念館

 ここでは、川合玉堂と竹内栖鳳をみているので、今回横山大観を見れば、近代日本画トップスリーを全部観たことになる。木村武山をまとめて見られたのは思わぬ収穫だった。

(2009.3a) ブログ

 

ザ・仏像展: 切手の博物館

 「阿修羅像切手」の載っているチラシにつられて行ってしまった。目白駅から歩いてスグ。コレクトマニアの世界である。

(2009.3a) ブログ

 

近代絵画、セザンヌから梅原・安井まで: 永青文庫

 今回の展覧会は、「白樺派の会計係」といわれた細川護立侯爵のコレクション。久米民十郎(1893-1923)の《支那の踊り》は驚愕の一品。

(2009.3a) ブログ

 

東本願寺の至宝展: 日本橋高島屋

 真宗大谷派の本山、東本願寺。1602年造営後4度の大火に遭っている。この展覧会は、2011年の親鸞上人七百五十回遠忌を記念するもの。近代京都画壇の宝庫の章が素晴らしかった。

(2009.3a) ブログ

 

山水に遊ぶ(前期): 府中市美術館

 とにかくこの美術館の江戸絵画企画展はいつも凄い。今回も然りである。マンネリになりそうな山水画を材料にしながら、深みのある展示に仕立てている。選ばれた作品も「目から鱗」的な優品が多数。オオトリは若冲の大傑作《石峰寺図》。

(2009.3a) ブログ

 

特別展 平泉: 世田谷美術館

 「みちのくの古代・みちのくの祈り」の章には、東北の仏像が沢山出ていた。 岩手・天台寺からは、《伝吉祥天》、《聖観音菩薩》、《如来》の3点。いずれも平安時代末期(11世紀)の作。《伝吉祥天》は、素朴なコケシのような木造仏で、花文や衣の襞が墨で描かれている。《聖観音菩薩》は、カツラの一木造。美しい鉈彫で、今回のマイベスト。《如来》は控えめな鉈目の上品なホトケサマだった。

(2009.3a) ブログ

 

楊州周延展: 太田記念美術館

 楊洲周延展は、最近、国際基督教大学博物館 湯浅八郎記念館で見たばかり。この太田記念美術館の楊洲周延展は初日に見に行った。ICUではまだ開催中なので、現在東京で楊洲周延展が二つ開かれていることになる。結構、楽しめた。

(2009.3a) ブログ

 

小杉放菴と大観: 出光美術館

 なかなか面白い組み合せの展覧会。早速2日目に行ってきた。ある時、放菴は大観に無礼な言葉を投げつけたが、大観は怒らず、次の日に飲みに来るようにといって、二人の交流が始まったという。これには、このころの大観は画法に迷いがあり、西洋画を参考にしたかったという事情もあったようである。

(2009.3a) ブログ

 

平山郁夫と大いなるシルクロード: 日本橋三越

 時間が空いたので覗いてきた。今回は、北京の国立中国美術館とパリの三越エトワールで催された個展の「凱旋展覧会」だそうだ。大きな画が多いので、展示数は少なく、その分、疲れないが、感動を受ける画も少ないのは、この画伯の画を何度も見すぎたためなのだろうか。

(2009.2a) ブログ

 

国宝 三井寺展: サントリー美術館

 なんといっても「秘仏開扉」という言葉の誘惑には勝てない。しかし、それにしても会場は暗い。細かい字の作品リストも読みにくいし、キャプションの作品番号の字の小さすぎる。

 《不動明王立像(黄不動尊)》は、眉根を寄せ、目尻を吊り上がらせ、牙をむいた不動。持物や飾り、衣裳も素晴らしいが、なんといっても両脚を開いて立つその姿は迫力十分。

 《新羅明神坐像》は、円珍が唐からの帰途に会った僧で、円珍と三井寺を結ぶ役割を果たしたとのことであるが、その異形の姿にドキモを抜かれる。

(2009.2a) ブログ

 

美人画展: 松岡美術館

 「阿修羅像切手」の載っているチラシにつられて行ってしまった美人画展(松岡)

(2009.2a) ブログ

 

近代の屏風絵(後期): 泉屋博古館分館

  前期とは大幅に展示品が入れ替わっている。前期の入場券の半券を持っていくと入場料が半額になるから有りがたい。

 明治以降の屏風絵としては、望月玉渓の《白〇孔雀》が素晴らしかった。右隻では、青い小禽が白い雄孔雀とのコントラスト。左隻では、牡丹の朱と雌孔雀の白との対比が右隻よりはっきりしていた。

(2009.3a) ブログ

 

松岡映丘とその一門: 山種美術館

 この美術館は館蔵品を巧く組み合わせて展覧会にしてくる。今回の展覧会の副題には「山口蓬春・山本丘人・橋本明治・高山辰雄」という門弟ばかりがあげられているが、師匠や友人など松岡と縁があった画家の作品も並べられている。

(2009.2a) ブログ

 

歌麿・女達磨展: 栃木蔵の街美術館

 とても面白い美術散歩だった。温かい冬の日。栃木市まで遠出した。とちぎ蔵の街美術館の「収蔵品展ー絵画を謳う・工芸に憩う」という地味な名前の展覧会であるが、2007年に再発見され、修復された喜多川歌麿の肉筆画《女達磨図》が初公開されているのである。

 歩き出して途中で道順が怪しくなったてきたので、後から来た女子高生に美術館のチラシを見せて、方向を確認した。女子高生と私とはしばらく同じ方向に歩いていくことになったが、デニーズを見つけたので、「それでは、わたしはここで・・・」と挨拶して分かれた。デニーズに入ってみると、禁煙席が一杯だったので、さらに美術館の方向に歩いていった。すると蔵のような建物のレストランがあり、「やきそば」の看板が出ていたので、そこで昼食ということにした。木の扉を開けて店内に入ってみると、先客は一人だけ。若い人が道路側の止まり木のような椅子に掛けている。わたしは、道路に背を向けて、真ん中の大きなテーブルに陣どった。注文したのは、名物の「じゃがいも入り焼そば」! 内部は民芸調で、蔵造りの建物とマッチしている。暖房は石油ストーブに加えて、炭火の長火鉢! 女将さんは美人。後で、この建物の謂われを聞いたりして、ちょっとおしゃべりした。先ほどの若い人が奥で会計を済ませてこちらに向かってくるや、「アッ!」と声を上げた。見ると、この若い人は先ほどの女子高生ではないか!! 「一期一会」ではなく、「一期二会」だった。

 この店の隣りも蔵造りであったが、見るとその前には「蔵の街かど美術館ー歌麿と栃木」という立看板が出ている。キツネにつままれたような気持ちで、ギャラリーの中に入ると、室内には歌麿の作品の復刻版や資料が沢山陳列されており、地元のボランティアの女性から丁寧な説明をいただいた。まずは、今回の目的である《女達磨図》の修復前の図を見る。折れこみ、変色した無残な状態だが、幸い顔や髪などの細部はそのまま残っている。

 さて、「とちぎ蔵の街美術館」はすぐ近く。山車会館の裏手。本命の歌麿《女達磨図》に対峙する。ガラスがはまっているが、浅いので非常に近くから見られる。達磨の被ぎ(法衣)の太く大胆な墨線は白隠を思わせ、遊女の顔の細く柔らかな線と見事な対照をなしている。法衣の赤と遊女の胡粉を乗せた顔とはツートン・カラーのようだ。単眼鏡を使うと、乱れ髪や後れ毛、複雑な瞳や口もとの描写などを見てとることができる。柳国外史の賛のなかの「面壁九年、勤十年」という言葉が、両者の対比の極致である。このような女達磨図は17世紀末から18世紀初にかけて流行したらしく、英一蝶がその先駆者であったと説明されていた。

 もう一度、「街角の小さな美術館」に戻る。ここは「太田家見世蔵」を利用しているのである。今度は男性のボランティアから説明をいただいた。「ネットワークとちぎ」が主催して、歌麿と栃木の狂歌師との交流に視点を当てた展示がされており、詳細なパンフレットもいただいた。狂歌師「通用亭徳成」の画賛のある《出る杭》が特に面白かった。

(2009.2a) ブログ

 

楊州周延: 國際キリスト教大学博物館

 明治以降の浮世絵はそれほど見る機会がない。これはアメリカからの里帰り展である。この展覧会の副題は、「Modernity and Nostalgia in Japanese Print」、邦訳では「浮世絵における近代性とノスタルジア」となっている。このModernityというのは明治維新にともなうわが国の近代化という意味で、西洋画のModerniteとは関係がないようだ。楊州周延は、このように維新後急速に西洋化する世相を描きつつ、伝統的な作品も沢山描いている。後者を過去を懐かしむNostalgiaと捉えて、この展覧会が構成されていた。

(2009.1a) ブログ

 

福沢諭吉展: 東京国立博物館

 東博では企画展が二つ開かれている。妙心寺展と福沢諭吉展。前者は見たが、後者はどうしようかなと迷っていた。日曜日に、入替えられた浮世絵をみるために東博に出かけたところ、福沢諭吉展の一部が本館にはみ出してきていて、それは別途料金を払わなくても見られるということが分かった。

 本館2階の特別2室に入って見て驚いた。巨大な仏画がただ一点ドーンと鎮座している。国宝の《釈迦金棺出現図》である。福沢諭吉に教えを受けた電力王 松永安左ェ門が京博に寄贈したということで、ここに来ているらしい。

(2009.1a) ブログ

 

近藤浩一路: 東京国立近代美術館

 鵜飼の世界を水墨で描いたもの。なかなかの作品である。

(2009.1a) ブログ

 

田中屋コレクション展: 川越市立美術館

 小村雪岱 と岩崎勝平の展覧会。お目当ては前者だったが、後者もなかなか良かった。さらに「没後10年 相原求一朗」という特集のおまけまでついていた。

(2009.1a) ブログ

 

近代の屏風絵(前期): 泉屋博古館分館

 明治以降の屏風絵はほとんど知らなかった。今回は、明治から大正にかけての関西画壇の屏風展であるが、見慣れていないせいか、江戸時代のもののコピーのようで、あまり感動しなかった。

(2009.1a) ブログ

 

加山又造展: 国立新美術館

 戦後派の日本画家として、古今東西の作品にヒントを得つつ、世界に通じる作品をめざした加山又造の人生を振り返ることができる素晴らしい展覧会だった。

(2009.1a) ブログ