皿うどんとちゃんぽんはどう違うか?そう訊ねられれば10人に9人はこう答えるに違いない。・・・・・・「皿うどんはパリパリの揚げ麺に、とろりとしたあんがかけてあって、ちゃんぽんは白いスープに太目の麺の、ラーメンの仲間」
ちがう!ちがうのだ!
皿うどんとちゃんぽんはとても近い関係にある。ちゃんぽんを皿に移し変えて汁気を少なくしたもの・・・・・・それが私の知っている長崎の味、皿うどんだ。これは
給食のメニューの中でも最もおいしいもののひとつでもあった。どこの食堂にも必ず”皿うどん”はそのメニューのひとつにあったように記憶する。
話はさかのぼってその小学生時代、夏休みのこと。
学校では夏休みの終わりに町内会対抗のポートボール大会が開かれることになった。運動オンチの私もどういうわけかそのメンバーに選ばれてしまった。もともと下手な上に夏休みが始まってほとんどすぐに母の実家のある山形へ・・・こんな選手のいるチームが勝ち残れるとはとても思えない。初戦で敗退してしまった
それから数日後。選手たちは近くの食堂へ集められた。もちろん私も。コーチを務めた町内会のおじさんがごちそうしてくれたのが皿うどんだった。練習に殆ど参加できないだけでも後ろめたかったのに、ごちそうになるなんて。私は確か10才ぐらいだったと思うのだけれど、その時のテーブルはおぼろげに憶えている。
大皿に盛られた皿うどん。汁気は少なく麺は太くてそう、スパゲティのような。
誰も私を責めはしなかった。「あんたが練習に来なかったけん、負けたとよ」
そんなふうに言われるんじゃないかと内心びくびくしていたけれど。
皿うどんの味はどうだったか、って?
おいしかった・・・ような気がする。正直言ってよく覚えてないのだけれど、「近所にこんなおいしいお店があったのか!」と思ったことをおぼえているからね。
◆九州長崎編
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横浜中華街の巻/洪福寺商店街の巻 ◆東京杉並編
ちびたのおでんの巻
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