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たべもの雑記帳-九州長崎編
かにやのおにぎりの巻

「かにや」はおにぎりやさん。それも、長崎市内のあちこちにあった、今で言うチェーン店。お寿司屋さんのようにカウンターがあって、そこでお好みのおにぎりを握ってもらうのである。

中身はさまざまだ。定番のうめぼし、おかか・・・などはもちろんあっただろうけれど、私はよく覚えてはいない。私が好きだった味は「紅しょうが」だった。おにぎりの中に紅しょうが。これは思いもつかない、そして現在のコンビニエンスストアでも扱っていない風味である。好きな味のおにぎりを注文すると、「へぃ、おまち!」という感じですぐに握ってくれる、まさに出来立ての味を味わえるというわけだ。父の仕事の関係で日本の北から南まで、8ヶ所くらいを転々としたが、「かにや」のようなカウンターで食べさせてくれるおにぎりやさんには出会ったことがない。

その頃、私はピアノを習っていて、母は地元で評判の先生を探し出してくれた。私の家は、原爆の後も建物が残ったという聖フランシスコ病院からさらに奥に入ったところにあった。家の近くのバス停から、浦上天主堂をとおり、坂道をおり・・・平和記念公園の前でおりる。ここからは市電だ。確かここの駅は「松山町」だったと思うのだけれど、いや、それとも降りる駅がその名前だったか・・・?

とにかく、ピアノの先生の家は遠かった。奥村音楽教室という名前で、ご主人がバイオリンの先生、奥様がピアノの先生で、きびしいことでよく知られていたようだ。(今もお元気でしょうか。ご存知の方がいらしたら教えてください)

※追記
この記述を読まれた方々から「私も奥村先生のお弟子さんでした」「先生はお元気ですよ」などうれしいお知らせをいただきました。みなさんに共通しているのは「あの先生こわかったですねー。でも、いい先生ですね」
先生がお元気でいらっしゃると聞いてうれしいです。みなさん、ありがとうございました。

私はこの音楽教室へ、行きはひとりで、または友人と一緒に行くようになった。そして帰りは母が迎えに来る、というパターン。当然、帰りは遅くなる。お腹もすいてくる。そこで、ちょっと・・・と母と寄り道したのが「かにや」だった。

そこでのひとこまを私は反省とともに思い出す。
ある日、私の注文したものは「うに」と「たくあん」だったと思う。四角い顔の若いおにいさんが「へぃ」とばかりに握ってくれた。「おまち」・・・目の前の2つのおにぎり。片方のおにぎりの上の方には、「うに」のかけらがのっかている。しかし、おにいさんが私に示したのは別の方のおにぎりだった。「こっちが、うにだよ」

どう考えたらいいのだろう!幼い私はとまどってしまった。「うに」ののっかている方は「うに」ではない、と、おにいさんは言う。しばし、時が止まった。
その時母が「きっとこっちが『うに』よ。」と横槍を入れた。指差したのは、「うに」がのっかっているほうのおにぎりだった。

きっとそうにちがいない、おにいさんは何か思い違いをしているんだ。そう私は考えて「うん」と母に返事をして、うにが上にのっかているおにぎりを口に入れた。その時の、おにいさんの悲しそうな顔・・・。その顔は「そうじゃないよ、それにはうにがくっついてるんだけどね、中身はたくあんなんだよ…」そう言っていたと思う。

結論。人を疑ってはいけない。
確かにそのおにいさんのいうとおり、『うに』のついたおにぎりは『うに』ではなかった。おにいさんは安心したように自分の仕事に戻っていった。母と私はおしだまったまま・・・・・・。

「かにや」のおにぎり。今も長崎にはあるのだろうか。ご存知の方、いらしたら情報をお知らせ下さい。

※またまた追記
かにやは健在だそうです。ああ、また食べたいな。


九州長崎編
皿うどんの巻/ おでんの牛すじの巻/ かにやのおにぎりの巻

横浜編
横浜中華街の巻/洪福寺商店街の巻

東京杉並編
ちびたのおでんの巻

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