日本美術散歩 07-1 (海外美術は別ページ)
謹賀新年 07.01 | 博物館に初もうで 07.01 | ギメ美術館浮世絵名品展 07.01 | 石山寺と紫式部展 07.01 |
七福神と干支の動物たち展 07.01 | 相原求一朗展 07.01 | 生々流転 07.02 | 都路華香展 07.02 |
日本美術が笑う 07.02 | 氏家浮世絵コレクション@鎌倉国宝館 07.02 | 小島烏水版画コレクション展 07.02 | 動物絵画の100年 07.03 |
靉光展 07.03 | 川合玉堂展 07.03 | 熱帯花鳥への憧れ 07.04 | 松浦屏風と室町江戸美術 07.04 |
西のみやこ 東のみやこ 07.04 | 日本を祝う 07.04 | 風俗画と肉筆浮世絵07.04 | 蕗谷虹児展07.04 |
パリへー洋画家たちの百年の夢07.04 | 鳥居清長展07.05 | 若冲と応挙07.05 | 黒田記念館 黒田清輝の作品T07.05 |
目 次 ↑
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西のみやこ 東のみやこー描かれた近代都市:国立歴史民俗博物館
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(2007.1a) |
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紫式部が源氏物語の構想を得たと伝えられる石山寺には、大和絵の技法で描かれた源氏物語にまつわる美術品が数多く所蔵されている。今回はこれの展示だが、予想よりも数が多いので驚いた。 紫式部の肖像としては、土佐光成の三幅対、狩野孝信(室町時代)、無銘の《紫式部聖像》(室町時代)、土佐光起、英一蝶、清原雲信(探幽の姪と久隅守景の子)の《紫式部観月図》などの大和絵のほかに、勝川春章の浮世絵《見立て紫式部図》、さらに堂本印象や上村松園の絵まで出ていた。、長谷川雪旦、住吉広行、浮田一薫、菊池容斎などもあった。 絵巻としては《白描源氏物語絵巻 断簡(須磨)》、土佐光起の《絵巻(浮雲)》があり、湖水54帖(物語扇子)、扇面画帳(絵合)、土佐光起・光成・光則の《画帖》が出ていた。 部屋の中央に《石山寺縁起写本》7巻が展示されていたが、良弁僧正の石山寺創建の物語が非常に分かりやすく描かれており、感心した。谷文晁、狩野春信の衝立、まつ本一洋の美しい屏風、月岡雪斎の屏風などもあったが、土佐光成・光芳の屏風が圧倒的であった。土佐派の絵をこんなに沢山見たのは初めてであるが、細密な描き方に特徴があるように思えた。 紫式部の書や硯も観ることができた。(2007.1a) 石山寺は”花の寺”とも言われて、四季折々美しい花が楽しめるそうです。また紫式部がこの寺で琵琶湖に映る月を眺めて《源氏物語》の構想を練ったと伝えられているのでこの寺には紫式部にまつわる絵画、屏風、工芸品が沢山あるのです。 《源氏物語》を題材にした金を沢山使った、雅できらびやかな大和絵を沢山見ました。細かいところまで、例えば人物も絵の中では5cmほどなのですが着物の柄・画中の襖絵・几帳の模様・植物等 丁寧に、きちんと描かれており、これらの画を描いた土佐派の絵師の技量は大したものです。 |
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素晴らしい浮世絵展。前期と後期に分かれ、それぞれが二つに分かれているので、全部観ようとすれば何回も原宿に足を運ばなければいけないが、とにかく前期第1期の感想を書くことにする。概略はブログ@にアップしてある。 1.肉筆画 肉筆画は5点とちょっと淋しい。入ったところに、最近対幅ということが判明した北斎の《虎(太田)》と《龍(ギメ)》が並べて展示されている。とりわけ《龍》は凄い。群青も使っているそうだが深みのある黒。北斎は黒にもいろいろな黒のあることが分かっていたのだ。《虎》は岩から滑りそうな不思議な姿勢。色彩は美しいが、目、耳、顔はコミックマンガのよう。それでも大きく開けた口には凄みがある。両者で阿吽となっている。 北斎の《海老図扇面》は殻の質感が良くでており、長い触角が巧みに配されている。北斎の《猿回し図》と広重の《隅田川月景》はいずれも軽妙なタッチであるが、迫力に欠ける。 ギメが来日した時に河鍋暁斎が贈った《釈迦如来図》は、この展覧会の最後に掛けられていた。キリストのような髪や顔、伸びた爪、透けて見える肋骨、赤の衣、金と青の光背。ギメが驚嘆したということは容易に納得できる。
2.初期の浮世絵(17世紀後期〜18世紀初期) 杉村治兵衛。菱川師宣と同時代に活躍した浮世絵師。今回、丹絵《和田酒盛》にお目にかかった。有名な曽我兄弟物語の名場面。中央に立っている遊女が兄の曽我十郎の恋人、大磯の虎御前。和田義盛に切りかかろうとする弟の曽我五郎。それを押し止める義盛の息子、朝比奈三郎。 鳥居清倍の丹絵《渡辺綱 羅生門》、《宇治川の先陣 佐々木高綱》は、いずれも有名な物語。現在のコミック漫画のようだ。 奥村利信の《稲荷祭礼花笠道中》は漆絵。漆を混ぜた黒はいまもその光沢を失っていない。鳥居や絵馬の朱色も良く残っていて今回のお気に入りの一つ。 二代目鳥居清倍の《二世市川海老蔵のういろう売り》や鳥居清満の《初世中村富十郎の比丘尼》は紅摺絵であるが、絵と字の配分がいかにも日本的である。高階秀爾先生のジャポニズムの講演の中で、絵の中に字を書き込むこ(絵と文字の統合)とは西洋画にはないわが国の特徴であるとの話を聞いたが、これらはその典型であろう。
3.錦絵の開花期(18世紀中・後期) 鈴木春信の錦絵、《風俗四季哥仙 竹間鶯》。竹やぶの中に鶯がいるのを見つけた女性が、若菜を摘んでいる連れの女性にそっと教えている。竹やぶと鶯が同じ淡い緑色なので、単眼鏡でなければ分からない。のどかな春景色でお気に入り。《蒸籠の傍らを歩く遊女》や《花魁道中》も素晴らしい色調が残っている。 礒田湖龍斎の錦絵《近江国萩玉川》。岸辺の萩と玉川の清流は背景で、縁側で恋文を読む女性とそれを覗き込む男性。衝立の漢詩の字が上手い。《雛形若菜の初模様 竹屋内小式部》では、遊女が紅葉の絵に筆で賛を入れているところ。画中画である。《雛形若菜の初模様 四ツ目屋内歌川》では遊女、二人の禿、新造の四人の衣装の模様が鶴と宝珠に合わせてある。 北尾重政では《浮世六玉川 紀伊空海》や《遊女と禿》は女性は柔らかな表情でなかなか良かったが、なんといっても《野葡萄を食べる兎》が絶品。3羽の兎のうちブドウを食べている兎だけが白兎であり、あとの2羽は茶色の兎である。 歌川豊春の2枚の浮絵、《雪見酒宴之図》と《駿河町呉服屋図》には人物が多すぎて詳細は暗い展示室では分からないが、極端な遠近法を使用した作品で近くが浮き上がってみえる。さすがに浮絵の祖の作品である。 一調斎文調の美人画《新かなや内 なゝまち》は、切れ長の目の文調美人が恋文を持っている。役者絵《二世市川雷蔵の奴軍助》は黒い背景から浮き立つ柳や菊が美しい。 勝川春章は、役者絵がが1点、相撲絵が2点。勝川春英は、相撲絵が4点。いずれも手馴れた作品である。
4.黄金期の浮世絵(18世紀末期〜19世紀初期) 勝川春潮の《影向松(ようごうのまつ)》や勝川春山の《雛形若菜の初模様 あふきや 華扇 ヨシ野 たつた》は美人画。保存状態が良いので観やすい。 鳥居清長は4点。《武蔵坊弁慶 土佐房正順》は紅摺武者絵。《美南見十二候 六月》は海中の神輿を見物する3人の美人、《当世遊里美人合 叉江凉》と《当世遊里美人合 橘妓と若衆》にも素晴らしい美人たちは、典型的な清長の錦絵美人画。いずれも健康美にあふれている。 喜多川歌麿が沢山来ている。《青楼尓和嘉鹿嶋踊 続 京町二丁目角かなや内 きよみ せきや たこと》は美人画。《三保の松原道中》は籠に乗った男女とそのお供の旅行記。《ひら野屋》は色白美人の大首絵で、背景の白雲母摺は上品な雰囲気。これはわたしの大のお気に入り。 《娘日時計 午の刻》は湯上りの二人の美人、《娘日時計 申の刻》は外出中の美人。いずれも「無線空摺」という顔の輪郭線を描かない実験的な技法が使われている。これらもお気に入り。《風俗浮世八景 閨中の夜雨》は帯を締めなおしている思わせぶりな画。この画も良い。 鳥橋斎英里の錦絵が4点。《三ヶ津草嫁美人図 大阪道頓堀於兼》、《三ヶ之津草嫁美人図 京三条砂場於万》、《三ヶ之津草嫁美人図 江戸両国之於辰》は揃物。街娼らしい。特に京の女は足を出して誘っているようである。《江戸花京橋名取》は有名な戯作者「山東京伝」=「北尾政演」の素晴らしい肖像画。栄松斎長喜の美人画もよかった。 東洲斎写楽もかなり来ている。そのうち都座の「花菖蒲文禄曽我」に基づく役者大首絵を3点を観ることができた。この話は以前にブログで紹介した。 《二世坂東三津五郎の石井源蔵》では、父の仇を討とうとする石井源蔵の緊迫感が目の描写や姿勢から伝わってくる。《二世瀬川富三郎の大岸蔵人妻やどり木》は、源蔵の媒酌人、大岸蔵人の妻で、夫とともに源蔵に助勢する。いかにも武士の妻らしいきりりとした姿。これは昨年東博で観た。《嵐龍蔵の金貸石部金吉》は、石井家の忠臣が主家の遺児を養育するために借りた金を容赦なく取り立てる因業な金貸しで、袖を捲り上げて凄む瞬間が捉えられている。 《三世坂東彦三郎の鷺坂左内》は、「恋女房染分手綱」(解説、床本)に取材した作品で、ぼんぼりを持つ左内の真剣な眼差しが印象的である。これは不義密通が発覚して父親に勘当された与作のもとへ重の井を連れて来るところ。 《初世市川男女蔵の冨田兵太郎と三世大谷鬼次の川島治部五郎》では、「二本松陸奥生長」に取材したもので、冨田兵太郎が父の敵川島治部五郎と争う情景が三角構図におさめられている。 歌川豊国の《役者舞台之姿絵 やまとや》は役者絵、《風流七小町略姿絵雨乞小まち》は美人画で黒い着物から白い足を大腿まで露出した姿は扇情的。吹き墨による雨の表現は巧みである。これはお気に入り。
5.爛熟期の浮世絵(19世紀前・中期) 葛飾北斎のお化け《百物語》の《笑ひはんにゃ》と《お岩さん》は奇想画だが、激しすぎて好きになれない。北斎展にも来ていたが、もう勘弁してほしい。 《千絵の海 総州銚子》は、北斎展でも観たが、とくに千葉市美術館の「海に生きる・海を描く」で観て感動した画。波しぶきの描写が素晴らしい。《千絵の海 絹川はちふせ》は滑稽味のある画だが、何をとっているのだろうか。 北斎展でもみた《百人一首乳母か絵とき》が3点出ている。知っている歌ばかりなので理解しやすい。《源宗于朝臣》は「山里は冬ぞさみしさまさりけり」、《藤原道信朝臣》は「明けぬればくるるものとは知りながらー後朝の別れ」、《参議篁》は「人には告げよ海女の釣船」の画である。 柳々居辰斎の《大橋》は西洋風浮世絵。遠近法が取り入れられ、額縁らしきものまで描かれている。 岳亭五岳という絵師の名は初めて聞いたが、素晴らしい作品が揃っていた。小さな《白梅に蟹》と大きな《天保山勝景一覧》は私の好み、猫好きの家内の好みは《三味線を持った美人と猫》。 歌川国貞の《虎》、歌川貞秀の《ほふじろ ざくろ》は上手い画だが、それほどの迫力を感じなかった。歌川国芳は例によって素晴らしい奇想の浮世絵。《東都名所 佃嶋》、江戸博で観た画だが《東都名所 大森》。そして《忠臣蔵十一段夜討之図》では、犬が何ともいえず可愛い。 歌川広重の《近江八景之内 唐崎夜雨》は黒と青のバランスが素晴らしく、川瀬巴水を予見させる夜の浮世絵である。これはお気に入り。《京都名所之内 祇園社雪中》は雪に残る下駄の跡が上手く描けている。《雪中椿に雀》は1月2日に東博で観たばかりだが、《雪中芦に鴨》とともに新鮮な感じがした。団扇絵の《六花撰之内 きくの花》は装飾的で美しい。 (2007.1a) 前期も終わりに近づき、先週「新日曜美術館」で取り上げられたせいか、前回とはうって変わった盛況。帰るころには待ち時間80分という看板が出いていた。 前期第1期と変わっているのは18点のみであったが、とても良いものが出ていた。一筆斎文調の《二世市川雷蔵の松若丸》はとても色鮮やかで、保存が難しいという紫色が袴や幕にはっきりと残っていた。勝川春潮の《誹風柳多留 美しひうへにも欲をたしなみて》は手ぬぐいを口に咥えたり、肩に掛けたりしている艶かしい湯上り美人二人。鳥居清長のしっかりとした構図の柱絵《睦月恋手取》。 歌麿の黒雲母《美人気量競 鶏舌楼 雛鶴》は懐紙を咥え着物の前をあわせる美人といういわくありげな情景。《浄瑠璃十二段草紙》は笛を吹く義経の指が色っぽい。 歌川国貞の《花鳥風月 風》は色紙版の小品だが良く描けている。障子の向こうにいる男次第でどうにでもなる花魁が風にそよぐすすきで表されている。障子の桟が見事に描かれているのには驚いた。男の影以外の白いところでも障子の存在が分かる。この技術は大したものだ。空摺の応用か? 今期のベスト・オブ・ベストはなんといっても広重の《花菖蒲に白鷺》。無線摺に空摺の技法をあわせている。特に白鷺の羽は繊細な白の線で表現されているが、非常に近寄らなければ分からない。図録にも十分再現されていないデリケートな絵である。 空摺についてはブログAに書いた。 (2007.1a) 肉筆画以外は今日から総入れ替え。結構朝から混んでいた。お気に入りの一部を羅列する。 ■ 奥村利信《据風呂》・・・全裸の湯浴み姿。いわゆる「あぶな絵」である。こんな絵が許されたのだから江戸時代はずいぶん大らかな時代だったようだ。 ■ 鈴木春信《汐汲み》・・・墨の代わりに露草の汁を使って描いた「水絵」。退色してしまっているが、穏やかな雰囲気は残っている。松風と村雨の姉妹。水桶に月が写っている。 ■ 鈴木春信《やつし許由》・・・皇帝から帝位を譲ろうといわれた隠者の許由が俗事を聞いて耳が汚れたといって川で耳をすすいだという故事。この絵では片肌を見せた女性が滝の水で耳を洗っている。垂直に落ちる滝が素晴らしい。 ■ 勝川春章《滝ノ音宗五郎と雷電為右衛門》・・・雷電は相撲史上、最強の力士。その名前は子供のときから知っていた。二人とも笑っているのがいかにも平和。 ■ 鳥居清長《小野小町》・・・これぞ美人。派手な色合いも結構残っている。 ■ 喜多川歌麿《物干し》・・・女性が8人、子供に猫、向こうの家には男たち、そして空にはホトトギス、遠景には富士山という欲張った絵。当時の洗濯の情景がよく分かる。 ■ 喜多川歌麿《北国五色墨 川岸》・・・右の乳房を露出した蓮っ葉な遊女。手に持った細い棒を口に咥えているがこれは何だ? ■ 東洲斎写楽《中島和田右衛門のぼうだら長左衛門と中村比蔵の船宿かな川やの権》・・・黒雲母の大首絵。遊女買いに行く細長い顔の長左衛門が口を開け、案内する丸顔の権が口を閉じている。阿吽の対照。 ■ 葛飾北斎《諸国瀧廻り 下野黒髪山きりふりの滝》・・・8図の滝は江戸東京博物館の「北斎展》で見てきたばかり。8図の中ではこれが一番奇怪。 ■ 葛飾北斎《諸国名橋奇覧 摂州天満橋》・・・舟の中にも、橋の上にも人が一杯。規則的に立っている提灯が面白い。 ■ 歌川貞秀《山中の猟師》・・・黒の濃淡によって、近景と遠景が巧みに描かれている。橋を渡って家路につく猟師の肩には獲物らしきものが見える。流れ落ちる水の青が印象的である。 ■ 渓斎英泉《鯉の滝登り》・・・大判2枚をを縦につなぎ、デザイン化された滝の水流を体を折るようにして登る鯉。ど迫力である。ヒゲがどうして元の形になっているのかなどという野暮なことはいわせない。 ■ 歌川広重《月に雁》・・・切手になって有名になってしまった。広重ブルーの色合いが残っている。 ■ 歌川広重《木曽海道六十九次之内 四拾 須原》・・・にわか雨に急いで御堂にアマヤドリする人々。暗い森の中に降る雨は胡粉を使って白くしている。 この展覧会も4回目。今回は待ち時間10分。帰る時にはお昼時だったため行列なし。だんだんまともになってきていた。 今回は20点だけの入替え。お気に入りは、 ■ 喜多川歌麿の《画兄弟邯鄲》・・・花魁が大名の奥方になってという一瞬の夢をみる。借りた枕で出世した夢を見た邯鄲の故事も画中画出で描かれている。分かりやすくてよい。 ■ 葛飾北斎《朝顔に蛙》・・・保護色の蛙がどこにいるか?この「北斎のたくらみ」にひっかかった人が多かった。画像をクリックして、解答を確認してください。 ■ 渓斎英泉《藻中の鯉》・・・イタズラっぽく目を開いた鯉がカワイイ! ■ 歌川広重《大藺に白鷺》・・・《花菖蒲に白鷺》と同じく無線摺に空摺の技法をあわせている。特に白鷺の羽は繊細な白の線で表現されている。単眼鏡でしっかりと観てきた。画像で再現を試みたが、不十分。 (2007.2a) |
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新春特別展示「亥と一富士二鷹三茄子」を観てきた。おめでたい作品が肩のこらないかたちで展覧されている。 この特別展示の中でのお気に入りは、田崎草雲筆の《富岳図》、2枚の《東海道分間延絵図》、石川光明作《野猪》、望月玉泉筆《岩藤熊萩猪図屏風》、インド・ビカネール派の《ビランヤークシャを破り大地を取り戻すヴァラーハ》などである。
その他の平常展示もお正月向きとなっている。良かったものは、長谷川等伯《松林図屏風》、池大雅《楼閣山水図屏風》、礒田湖龍斎の《雛型若菜初模様・旭丸屋のはやま》、鳥文斎英之の《風流五節句・元旦》、宮川長春の《乗鶴美人之図》、歌川広重の《東海道五拾三次》の画帖などである。 詳細はブログに書いた。 鑑賞会参加者:Takさん夫妻、Juliaさん、toshi夫妻、Nikki夫妻、はろるどさん、花子さん、ミズシーさん、KANさん、lysanderさん、mizさん、一村雨さん (2007.1a) |
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